レオンメンテナンスは日々、いろいろな水回りのトラブル、トイレの詰まりを解決しています。
ここでは、そんなノウハウを活かして、トイレが詰まったときにやるべき「3つの方法」を解説します。また、なぜ詰まってしまうのかの原因も分かりやすく解説しますので、ご参考ください。
目次
トイレつまりの「3つの直し方」
つまりとり(ラバーカップ、スッポン)を使う
トイレがつまったら真っ先にラバーカップ(スッポン)を使ってトイレつまりを解消しようと思われる方も多いのではないでしょうか?
ラバーカップは昔からある定番の道具で、ご家庭でトイレつまりを解消する際に大活躍します。
軽度のつまり(便やトイレットペーパーなどがつまっている場合)であれば、ほとんどラバーカップで直せます。
使い方
使い方は簡単。便器内に水を溜めてから排水口に押し当てます。
あとはラバーカップを引いて押してを繰り返すだけです。
※引く動作があまりに大きいと便器内の水が飛び跳ねることがあるので注意してください。
コツ
数回やっても、つまりが直らなくても諦めずに根気よく何度も繰り返してください。
根気よく何度も繰り返しすることが最大のコツです。
・ラバーカップ(スッポン)の正しい使い方【つまりはこれで直せる】
それでも解消しなかったら・・・
それでもつまりが直らない場合は、ラバーカップの種類を確認して下さい。
ラバーカップには大きく分けて2種類あります。
上の画像のようにつばが付いているものはトイレ用のもので、つば付きかどうかで威力が変わります。
通常のラバーカップを使っている場合は一度つば付きのものに交換して再挑戦されるのもオススメです。
液体パイプクリーナーを使う
基本液体パイプクリーナーを使うことは少ないのですが、つまりの原因が尿石だった場合は効果があります。
尿石とは尿の中に含まれるカルシウムイオンが濃縮および炭酸などと反応してカルシウム化合物として便器や配管の内部に付着したものです。
簡単に言うと、尿に含まれるカルシウムが長い時間をかけて便器や排水管の中で固まっている(こびりついている)状態です。
この現象は小便器でよく起こりますが、大便器でも稀に起こることがあります。
この尿石が原因でトイレつまりが起こっている場合は、尿石を取り除く必要があります。
ご家庭で簡単に出来る方法は、液体パイプクリーナーやピーピースルーなどの薬剤を便器に適量入れて化学反応で取り除く方法です。
使い方
適量や使用方法に関しては使用薬剤の使用方法を御覧ください。ただ、薬剤のなかには化学反応をする際に空気中に刺激臭を発生させるものもあるので取り扱いには注意してください。
使用する際はマスクなどをして口と鼻を塞ぎ、しっかりと換気してください。
化学反応中はトイレから離れて時間が経つのを待つというのも一つの手です。
もう一度言いますが、取り扱いには十分に注意してください。
ワイヤーブラシを使う
「ラバーカップ」「液体パイプクリーナー」を使ってもトイレつまりが直らない場合はワイヤーブラシを使ってみましょう。ここまで頑固なつまりには直接刺激を与えれるワイヤーブラシを使うほかありません。ワイヤーブラシはホースセンターなどで簡単に手に入るのでお手軽に用意出来る道具です。
用意するワイヤーブラシの長さですが、つまりの原因がどこにあるのかでどれくらい長さがいるのか変わってきます。
便器内であれば2mもあれば十分つまっているものに当たります。
これが排水管の中だとかなりの長さが必要になります。10m~15mもあれば外までたどり着けると思われますが、不安な場合は20m以上のものを用意しましょう。
使い方
ワイヤーブラシの先を便器の排水口に入れていきます。入れていくと何かに当たってそれ以上奥にいかなくなるところがあります。
当たったらワイヤーブラシを回して奥に押していくとどんどん奥に入っていきます。そしてトイレつまりの原因に当たると水が引いていきますのでワイヤーブラシを引き抜いて下さい。
※ワイヤーブラシを勢いよく動かすと便器内の水が跳ねるのでゆっくり動かしてください。
トイレが詰まる原因
大量のトイレットペーパーや不溶性異物
トイレつまりの最も多い原因がトイレットペーパーの流しすぎです。
大量のトイレットペーパーに便が合わさると大きな塊が出来てしまい、便器や排水管の中でつまってしまいます。いくらトイレットペーパーが水溶性で溶けやすいといえども大量のトイレットペーパーはそう簡単には溶けません。なので、流す量が多くなりそうな場合は、2回に分けて流すとつまらないのでおすすめです。
また、生理用品(ナプキン)や尿もれパッドを流してしまい、トイレがつまったとご依頼があることもあります。生理用品や尿もれパッドは水を吸収する素材が含まれているので、流そうとすると便器の中で膨張してつまることがほとんどです。見た目が小さいものなのでつまらずに流れそうに見えますが、便器内から取り出したときには数倍に膨れ上がっています。
流してつまったときはすぐに水道修理業者に相談してください。
ラバーカップや薬剤ではもちろん取れませんし、ワイヤーブラシを使うと水を吸収する部分が粉々に飛び散ってつまりを直せなくなることがあります。
流してしまうと修理費用がかかってしまうので、不溶性異物を誤って便器内に落としてしまった場合は汚いかもしれませんが、割り箸などを使って取り出しましょう。
パイプ・配管に詰まりやすい場所がある
上にも書いていますが、トイレつまりの最も多い原因がトイレットペーパーの流しすぎです。
ですが、単にトイレットペーパーの流しすぎなら、便器の排水口のところでつまり、その奥が排水口と同じ大きさの直線の排水管がずっと続いているなら、便器の排水口を通過さえできれば、その後はどこにも引っかかることなくどこまでも流れていくはずです。
でも実際は違います。便器の排水口よりも向こうで詰まっていることはよくあります。これは、排水口より奥でつまりやすい(引っかかりやすい)箇所があるということを意味しています。
トイレに限らずすべてのつまりに共通していますが、曲がっている(カーブしている)場所がつまりやすくなっています。
曲がっている箇所は、便器の中(約2箇所)と排水管の中(複数箇所)にあります。
曲がっている場所は流したものがうまく流れず、そこで引っかかってしまうことがよくあるのです。
ただでさえ流れにくい箇所なのに、大量のトイレットペーパーを流したらどうなるでしょうか?
引っかかってそれ以上水の力だけでは流れなくなってしまいます。
このようにつまってしまうと何度水を流しても押水だけでは流れなくなってしまうので、つまらない程度の量のものを流しましょう。
トイレの流れが悪い、排水時の水流・水圧が足りない
流れないとはいえないまでも、なんだか流れが悪いなと思ってしまう便器はよくあります。
便器の仕様にもよりますが、モヤッとした(流れ方がスッキリしない)流れ方をする便器は何かが引っかかっている可能性が高く、頻繁に何度もつまるなどの症状があります。
実際にあったケースですが、トイレがつまったのでラバーカップをしたらトイレつまりが直った。でも、直後にトイレットペーパーを流すとまた水面が上がってきてトイレがつまっていた、なんてケースがあります。このようにトイレットペーパーではない異物が原因で何度も頻繁につまってしまうことがあります。
この原因は便器の中に竹串が入っていました。この竹串にトイレットペーパーや便が引っかかることでトイレつまりが発生していました。つまった後ラバーカップをすればトイレットペーパーや便は流れますが竹串は流れないのでまたトイレがつまるという現象が起きてしまったようです。
あとは水量が少ないことが原因でトイレがつまるケースです。
人為的にロータンクの中に節水のおもりをつけたりする、もしくは節水型便器だと水量が少ないのでつまりやすくなります。
特に人為的にロータンクの中に節水のおもりを付けた場合は、設定されている水量より少ない水が排水されるのでかなりつまりやすくなります。
水道代を気にしておもりを付けられたのだと思いますが、それが原因でトイレがつまってしまっては何の意味もありません。
節水を意識されるのであれば、最新の節水型便器に交換されたほうがいいと思います。
節水型便器もつまりやすいですが、設計の段階で水が問題なく流れると判断されているので通常使用の場合は問題ありません。
ただ、やはりトイレットペーパーの量が多いと昔の便器よりもつまりやすいのは確かです。
プロの業者がトイレの詰まり解消のケースを紹介
ここでは日常的にトイレのつまりを解消している私が経験したことを書いています。
業者が使う道具を駆使して直していますが、誰でも買えるので頻繁につまるようであればプロ用の道具を買っておくのもいいと思います。
ローポンプを使ったトイレのつまり解消のケース
このローポンプと呼ばれる道具はラバーカップのプロ用だと考えてください。
ラバーカップは先端の黒いラバー(ゴム)の部分の大きさしか水を動かすことが出来ませんが、このローポンプは筒の中に水を吸うことが出来るので動かす水の量がラバーカップの数倍になるのです。
ラバーカップで30分以上やったけどトイレつまりが直らなかったから問い合わせしたとおっしゃっていたお客様もいましたが、駆けつけてローポンプで数回やったらあっさりと詰まりが直ったなんてことはよくあります。
また、このローポンプのすごいのは尿もれパッドを便器の中から引き抜いたという実績があることです。
あるとき、尿もれパッドを流してしまったとお客様から依頼を受けて、ローポンプで作業してみました。本来は便器脱着かワイヤーの選択肢を選ぶのですが、今回はお客様に流したものと同じものを見せてもらいローポンプいけるかもしれないと思い、やってみました。
すると、かなり大きな筒状に膨張したパッド(大きさは男性の腕一本分くらい)が出てきて、無事にトイレつまりを解消することが出来ました。
このようにラバーカップではだめだったけどローポンプならいけるというケースはよくあります。
頻繁にトイレが詰まる場合は購入することをおすすめします。ただ安いものではないので、数年に一度程度であれば業者に依頼した方が安いでしょう。
ワイヤーを使ったトイレのつまり解消のケース
ワイヤーと書いていますが、正式にはトーラーと呼ばれています。このトーラーと呼ばれる道具はワイヤーブラシのプロ用だと考えて下さい。つまりを解消するためにある道具で主に排水管に使用します。
ワイヤーの先端に金属のヘッドが付いていて、ヘッドを変えることで様々なつまりに対応する道具になります。詰まりに対して万能な道具といえます。
トイレのつまりで使ったケースですと、トイレの排水経路の排水管の中でつまりが発生してしまい便器から水が溢れていたことがありました。
会所(排水マス)を確認しても、つまっていなかったことから初めはローポンプで作業をしました。
ですが、一向にトイレつまりが解消しないことから、排水管に問題があると判断してトーラーを入れていき、トイレつまりを解消することが出来ました。
いくらローポンプが万能とはいえ、ガチガチにつまっているものには効き目が弱いです。
水を動かしても動かない詰まりにはトーラーで直接突くことで動かして詰まりを解消することが出来ます。
またトーラーにはヘッドが渦巻状になったものがあるので生理用品や尿もれパッドに絡めて引きずり出すことも出来ます。
しかし、長時間水の中にいた生理用品などは柔らかくなっていることがあり、それをトーラーで突くと水を吸う吸収剤が便器の中で散らばって悪化する場合もあるので、使用には注意が必要です。
それでも万能な道具には変わりありません。
各家庭に1台あってもいいのではと思いますが、ワイヤーは錆びやすいのでこまめに油を塗ってメンテナンスする必要があるので、やはりトーラーが必要なケースなら業者を呼んだ方がいいと思います。
便器脱着でトイレのつまり解消のケース
よく「便器脱着をされた!ぼったくられた!」と耳にします。
便やトイレットペーパー、ティッシュが原因の場合は便器脱着されたらボッタクリだと思います。
しかし、上記以外の異物が原因だった場合、便器脱着するしか直す方法がないことがあります。
ではここで、私が経験した便器脱着のケースを書いていきます。
お客様は朝起きたらトイレがつまっていて、ラバーカップで何度もやったけど直らなかったので依頼されたようでした。
現場でお客様にお話をお伺いすると「酔っ払っていて覚えていない。気付いたらベッドで寝ていた。」とおっしゃっていて何が原因かわかりませんでした。
なので通常のつまりだと判断してローポンプを10分ほどしましたが直らなかったので、トーラーを通すか考えました。
しかし原因がわからない以上下手にトーラー通して直せなくなることも考えられたので便器を脱着することにしました。
便器を外すと便器と排水口の接続部分あたりに生理用品がつまっていました。
結果トーラーを通さなくてよかった事例です。
詰まってからかなりの時間が経過していたのでトーラーを通すことで生理用品が破けて便器内に吸収剤がへばりついていたかもしれません。
このように便器脱着はそのときの状況をしっかりと考えた上で行います。。
私の本音で言えば、便器脱着することで汚水がかかることもあるので出来ればしたくないです(汗)。
便器の脱着はプロじゃなくても出来るので器用な方はやってみるのもいいと思います。
ただ、便器取り付け時に床と固定するボルトを締めすぎると便器が割れるので注意してください。
高圧洗浄でトイレのつまり解消のケース
基本トイレのつまりで高圧洗浄機は使いません。
ぼったくられたとお客様から聞いた話では「薬剤→ローポンプ→ワイヤー→便器脱着→高圧洗浄」とフルコースでぼったくられたそうです。
そのときの状況がどうだったのかわからないので上記の作業が正しかったのかは不明ですが、薬剤は不必要だと思います。
「トイレの排水管が汚れているから詰まりやすい。この際に洗管して詰まりにくくしときましょう!」と業者に言われたら注意が必要です。
排水管なので汚れているでしょうけど、トイレの排水管は太いのでちょっとの汚れでつまったりしません。
上記のようなことを言う業者にあたってしまったらキャンセルした方がいいです。
ただ稀に高圧洗浄機が必要な場面もあります。
それは生理用品や尿もれパッドの吸収剤が便器や排水管の中で詰まっているときや排水管の中で便や紙がびっしり詰まっているときです。
トーラーでは一時的に詰まっている部分に穴を空けることが出来ますが、水が流れるときに空いた穴にまた吸収剤がつまってしまい、トーラーではどうしようもない時があります。そんなときは高圧洗浄機を使って詰まっている箇所に高圧力の水圧をかけてつまっているものをほぐしてあげます。すると吸収剤が引っかかるところがなくなって一気に流れていきます。
便や紙も同様で排水管の中にびっしりと詰まっているところに高圧の水で押し流してあげます。すると徐々につまっていた便や紙が流れてきます。
私の経験上トイレの詰まりにはこれくらいでしか使ったことがありません。なので業者からすぐに高圧洗浄(洗管してきれいにしましょう)と言う言葉が出てきたら注意してください。単価が高くなるので高圧洗浄が大好きな業者は多いです。
トイレの故障?
ラバーカップやワイヤーブラシをしたのにトイレのつまりが解消されない場合、別のことが原因かもしれません。
ここではその他の原因について書いています。
P便器(壁排水)特有の現象
まず便器には「床排水」と「壁排水」の2種類があります。
ほとんどの便器は床排水ですが、マンションに多いのが壁排水です。この壁排水の便器で何度かあるのが、何も詰まっていないのに水を流すと水位が上がってきて流れないという現象です。そして2回に1回はちゃんと流れるという奇妙なことが起きるのです。すべての壁排水便器がそうではありませんが、古い便器ほどなりやすい印象があります(筆者の経験)。
私も何度かこのような便器にあたったことがありますが、ローポンプ、トーラー、便器脱着とやりましたが何をしてもつまりが解消されることはありませんでした。
原因は不明で、私にはなぜこんな現象が起きるのかはわかりませんが、壁排水便器には起こる現象なのです。
そしてもしこのような現象が起きている場合は便器を交換して下さい。
便器交換しか方法がないですし、実際に交換するとこのつまりの症状がなくなったのです。
ちなみにですが、便器を取り外して排水管の中を毎回見ていますが何もつまっていません。
排水経路に異常
トイレにつまるようなものは流していない、トイレットペーパーも多く流していないのに最近流れが悪いな、よく詰まるなというような症状はありませんか?
これはもしかすると排水経路の排水管に異常がある可能性があります。この症状は、生きている間に出くわすことはほぼないと思います。排水管は塩ビ管で出来ているので耐久性があり、簡単には壊れないからです。
それでも、古い塩ビ管が地震などで圧力がかかると地中で割れていることがあります。こうなると正常に排水されず、トイレつまりの原因になることがあります。このケースは稀ですので頭の片隅にでも置いておいてください。
会所内のつまり
まずは会所の説明をします。
会所とは排水管と排水管をつないでいる中間地点の点検口だと思って下さい。会所がないと、排水管に何か異常があったときに点検が出来ず、大変なので排水経路には会所を設けるようになっています。見た目はマンホールのようになっています。そしてこの会所が原因でトイレがつまることがあります。
よくある会所が原因のつまりは、会所の中に木の根が入り込んで、木の根がティッシュや便などをせき止めて詰まっていることがあります。
木の根はすごく賢いので栄養があるところに伸びてきます。糞尿は木の根にとっては栄養源になるので、コンクリートの隙間から会所内に侵入していることがあります。ひどいところだと会所に侵入した木の根が排水管の奥の方まで侵入して取れないなんてこともあります。そうなると排水管のやりかえになるので、たまには会所の中を見るのも大事です。
また、トイレットペーパーを長年大量に流したりしても会所はつまってしまうことがあります。
何かおかしいなと思ったら会所の中を確認してみてください。
・【施工事例】トイレットペーパーの使いすぎでマンホールがつまった!高圧洗浄機で詰まりを解消
まとめ
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
長文となってしまいましたが、私の持っている知識を少しでも皆さんのお役にたててもらえたらなと思い、長々と書かせてもらいました。
皆さんのトイレつまりが早速直ることを祈っています(^^)
また、良心的な業者の選び方についてまとめた記事もありますのでそちらもよろしければご覧ください。
業者の選びの参考になれば幸いです。