日常生活でトイレは必要不可欠ですよね?
そのトイレに流した尿や便などの汚水はどこへ行くのかご存じでしょうか?
この記事ではトイレに水を流した直後から最終どこまで行くのかを細かく解説しています。
長くはなりますが、ぜひ最後までお読みください。
目次
トイレから排水管へ
トイレのレバーを回して、便器に水が流れると尿や便(以後し尿と書きます)は曲がりくねった便器の中を通って接続されている排水管に流れます。
宅内に配管された排水管を通って、屋外の排水管に出ます。
屋内から屋外に出る場所には会所桝と呼ばれるものがあります。
会所桝はマンホールのような見た目をしています。
蓋を開けてみていると、家の中からし尿や紙・水が通ってくるのが確認できます。
し尿は便器、屋内排水管、会所桝、屋外排水管を通っていきます。
排水管から先は地域よって違う
屋外排水管に出た後は、地域によって変わってきます。
屋外排水管に出たからといってもそこはまだ宅地内です。
処理施設までいかなければなりません。
ここからは地域別でどのように処理されていくのかを解説していきます。
その1:下水道が通っている地域
下水道が通っている地域は屋外排水管から接続桝を通って下水道に繋がっています。
下水道には勾配がついていますので、下水処理施設まで流れていくようになっています。
下水処理施設までずっと一直線で勾配があるとかなり下まで地面を掘って下水道を作らないといけないので、途中途中で汲み上げポンプを使って、あまり深く地面を掘らないように作っています。
下水処理施設では、「沈砂池(大きなゴミを取り除く)→最初沈殿池(小さなゴミを取り除く)→反応タンク(微生物の働きで水をきれいにする)→最終沈殿池(微生物を取り除く)→高度処理(有機物を取り除く)→消毒施設(消毒する)」の順番で処理されていきます。
ちなみに処理に使用した微生物は汚泥処理施設に送られて有効利用されています。
処理の方法を詳しく書いてあるサイトがありますので、よろしければそちらもご覧ください。
その2:浄化槽がある地域
浄化槽が自宅の敷地内にある方は屋外排水管から浄化槽にし尿が流れていきます。
浄化槽とは簡単に説明しますと小さな下水処理施設になります。
し尿(汚水)の他に生活雑排水(キッチン・洗面・お風呂などの排水)も浄化槽に流れていきます。
下水の処理方法ですが、簡単に説明すると微生物の働きによって下水をきれいにします。
微生物には酸素が必要ですので、浄化槽の中には常に酸素が供給されています。
ですので、浄化槽の電源を切ると微生物が死滅しますので、下水が処理できなくなってしまいます。
詳しくはリンクを貼っていますのでそちらからご覧ください。
浄化槽の写真はウィキペディアで見ることができます。
下にリンクを貼っていますのでそちらをご覧ください。
その3:下水道・浄化槽がない地域
下水道や浄化槽で下水を処理していない地域は汲み取り式トイレがついています。
世にいうボットン便所というものです。
汲み取り式トイレはし尿を一時的にタンクに溜めておきます。
溜めていたし尿は定期的にバキューム車で汲み取ってもらいます。
なので汲み取り式トイレといいます。
バキューム車で汲み取ったし尿はし尿処理施設に運ばれます。
ここでし尿に混ざっているゴミを取り除きます。
し尿は微生物の働きによって処理されます。
詳しくは下にリンクを貼っていますのでそちらをご覧ください。
処理水の行方
下水処理施設・浄化槽・し尿処理施設で処理された水は川や海に流されています。
浄化槽で処理されたものは側溝などに流されて川や海に流れていきます。
きれいに処理された水ですので、川や海に流しても問題ありません。
また、流された水は水蒸気となって雲になり、雨となって地上に降り注ぎます。
こうして処理された水はまた私たちの生活に戻ってきます。
汚物の行方のまとめ
わかりやすく解説したつもりですがいかがだったでしょうか?
まとめますとトイレに流した汚水は排水管などを通って処理施設にたどり着きます。
そこではゴミとし尿を分けて、し尿のみを微生物の働きできれいな水にします。
きれいな水は川や海に流して、雨になります。
使用した汚水はどこかへ行って消えてしまうということではなく、きれいになって自然に戻っていきます。
このように処理施設のおかげで私たちは快適に生活出来ています。
し尿やトイレットペーパー以外を流すと、処理施設がいたむのでし尿やトイレットペーパー以外は流さないようにしましょう。