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この記事ではINAX製タンクDT-2810のサイフォン管の交換方法について解説しています。
今回の症状は「タンクの中のチェーンが外れたので自分で補修しました。補修した数か月後にレバーの動きが固くなってきて使いにくくなりました。改善してほしいです。」とのことでした。
実際に伺ったお客様宅での作業風景と共に解説していきますので、似たような症状でお困りの方は是非最後までお読みいただき参考にしていただけますと幸いです。
それではまずは原因について調査していきましょう!
※修理方法を教えて欲しいというお電話が増えておりますが、電話は修理受付窓口に繋がりますので修理方法についてはお伝えしておりません。
※ご自身で修理が難しい場合はお近くの水道修理業者までご依頼ください。
目次
今回使用する工具及び材料
DT-2810のサイフォン管の交換作業をする前に以下の工具と材料を用意してください。
使用する工具
・モンキーレンチ
・マイナスドライバー
・タオル(複数枚あるといいです)
・大型のウォーターポンププライヤー(300mm以上)
・ラチェット(あると作業がかなり捗ります)
使用する材料
・LIXIL・INAX アメージュC・コンパクトリトイレ フロート弁 トイレ部品 [TF-2820C(243)]
INAX製タンクDT-2810のサイフォン管を交換する前に現場調査
それでは現場の調査していきます。
現場に到着後、トイレの中を見せてもらいました。
まずはタンクの蓋を外して中を確認します。
チェーンが外れて補修したとのことでしたので補修した箇所を確認します。
※わかりやすいように水を抜いた後の写真です
補修した部分を見てみるとチェーンがフロートカップから外れていて、結束バンドでチェーンとフロートカップを繋いでいるようでした。
この状態でも水は流せますが、レバーを回したときに固いとのことですのでチェーンを引き上げるときの角度が悪いのかオーバーフロー管との接地面の滑りが悪いかですね。
チェーンの補修箇所とレバーが固い症状を解消しようと思うとフロートカップを交換すれば改善する気がしますが、オーバーフロー管との接地面の滑りが悪いことが原因だとフロートカップを交換しても改善しません。
また、INAX製のオーバーフロー管は経年劣化でそのうち折れるので後々のことを考えるとサイフォン管ごと交換する方が無駄がないと思われました。
ですので、今回はサイフォン管を交換して修理することとなりました。
現場調査が完了しましたので、次項からDT-2810のサイフォン管の交換方法について解説していきます。
是非最後までお読みください!
INAX製タンクDT-2810のサイフォン管の交換方法
それではDT-2810のサイフォン管の交換方法について解説していきます。
まずはアングル止水栓を閉めてタンクに給水する水を止めます。

トイレの中には基本的に上の写真のようなアングル止水栓がありますので、この頭の部分(写真の赤矢印の部分)にマイナスドライバーを挿して時計回りに回すと水が止まります。
アングル止水栓が固くて回せない場合は無理に回さずに水道メーターの横にあるバルブを閉めて家全体の水を止めてください。
トイレ内にアングル止水栓が無い場合も同様に水道メーター横にあるバルブを閉めて止水してください。
水が止まったらタンク内の水を排水します。


今回の現場ではレバーは固いけどまだ回せる状態でしたのでレバーを回して排水しました。
チェーンが切れている状態や固すぎて全く回せない場合はタンクの中に手を入れてフロートカップを持ち上げて手動で排水してください。
水を抜いたらボールタップに繋いでいる給水のナットを外します。

上の写真の赤矢印の部分にあるナットをモンキレンチで挟んで反時計回りに回してナットを外します。
ナットを外した際に水が少量出てきますので、ナットの下あたりにタオルを置いておくといいです。
給水のナットを外したらタンクと便器を固定しているナットを外します。

タンクの真下あたりの左右にナットがあります。
このナット(計二か所)をラチェットまたはモンキーレンチで反時計回りに回して外します。
ナットが外れるとスリップワッシャーも一緒に外れます。
タンク取り付け時にスリップワッシャーも使用しますのでなくさないようにしてください。
固定しているものを全て取り外したら次はタンクを持ち上げて外します。

タンクを外したら床にタオルをひいてからタンクを床に寝かせて置いてサイフォン管を外します。
タンク内部にはやや水が残っているので、床に寝かせたときに水が出てくることがあります。
ですので、タオルを多めに用意していただき、出てきた水を吸い取ってください。
上の画像の赤矢印の部分にサイフォン管を固定しているナットがあります。
このナットを大型のウォーターポンププライヤーで挟んで反時計回りに回すと外れます。
注意点として既設サイフォン管の位置に新しいサイフォン管を取り付けますので、取り外す前にオーバーフロー管が出ている位置を確認しておきます。

上の画像ですと右下の位置にオーバーフロー管が立っているので、同じ位置に新しいサイフォン管を取り付けることになります。
ですので、外す前にしっかりと確認しておいてください。

ナットが外れたら新しいサイフォン管を用意します。

DT-2810に適合するサイフォン管はTF-2820C(243)ですので、今回はこれを使用します。
取り付け手順ですが、取り外しと逆の順番で取り付けていけば大丈夫です。
注意点として
1.サイフォン管の取り付ける位置(上に既に書いています)
2.タンクを便器に乗せるときにディストリビューターに気を付ける
3.タンクと便器を固定する際にナットを締めすぎない(締めすぎると便器が割れます)
4.チェーンの取り付け方
以上4点があります。
ここからは2.と4.について解説していきます。
2.の注意点ですが、この便器にはディストリビューターという器具が便器に取り付けてあります。

タンクを乗せる部分に樹脂製のジャバラホースのようなものがあると思います。
これがディストリビューターなのですが、タンクを乗せる際にこれを潰して乗せてしまうと水漏れを起こしてしまします。
ですので、タンクを乗せる際は上の画像の赤矢印の丸い部分をしっかりとサイフォン管の中に入れるように乗せてください。
可能であればタンクを乗せる人(持つ人)、位置を見ながらタンクの位置を調整する人の2名で作業するのがおすすめです。
次に4.の注意点ですが、チェーンをレバーに固定する際にピンピンにチェーンを張って取り付けてはいけません。
チェーンは少したるませた状態が正常な状態になります。

取り付け方ですが、まずはチェーンをピンピンに張った状態でレバーの取り付け金具に当てます。(上の画像の赤矢印の部分にチェーンを当てて確認します)
当てた位置の玉で固定するとピンピンに張った状態になるので、その玉の位置から2~3玉上の玉の位置でチェーンを金具に取り付けます。

上の画像のようにチェーンがたるんでいれば大丈夫です。
以上注意点となります。
問題なくタンクを便器に固定したらアングル止水栓を開けて通水します。

タンクに水が溜まって給水が止まったらレバーを回して動きを確認します。

レバーの感触が固くないことを確認します。
レバーの感触が固くないことを確認すると同時にちゃんと水が排水されるかも確認します。

便器に水が流れ出ていれば問題ありません。
これにて確認及び交換作業完了です。
お疲れさまでした!
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
筆者なりにわかりやすく修理方法について解説しましたがいかがでしたでしょうか?
同じような症状でお困りの方のお役に立てるように記事を書きましたので、参考にしていただければ幸いです。
もしわかりにくい部分などがあるようでしたら似たような記事を書かれている他のサイトもあると思いますので、そちらも参考していただけますと幸いです。
また、誰にでもわかるようにこの記事は書きましたが、それでもご自身で修理するのに不安がある方は水道修理業者にご依頼ください。
対応地域は限られていますが、弊社も水道修理業者ですので対応エリア内であれば修理いたしますのでご連絡いただければと思います。