TOTO製のトイレの水が止まらなくて困っていませんか?
この記事では、水道修理屋が考えられる原因と修理方法を解説しています。
現場に今も現役で出ているプロの経験と知識から原因と修理方法をお教えします!
目次
まずは応急処置
水が止まらない状態だと冷静に判断することも出来ません。
ですので、まずは冷静になるために止水栓を使って水を止めましょう。
止水栓は一時的に水を止めるだけなので直ったわけではありません。
止水方法ですがトイレの中だけを止水する「アングル止水栓」を使うか、家全体を止水する「バルブ」を使います。
アングル止水栓で止水する
アングル止水栓はトイレのタンクの横にあります。
壁もしくは床から出ている管に繋がっています。
ほとんどのトイレにはD型アングル止水栓(マイナスドライバーで止水するタイプ)がついていますので、マイナスドライバーで時計回りに回して止水してください。
ハンドルタイプの場合は手で握って回すだけです。
アングル止水栓を長年回していない場合は、固着して回せないことがあります。
そんなときは反時計回りに一度回して、動いたら時計回りに回してください。
それでも回らない場合は、家全体を止水する「バルブ」を閉めてください。
水道メーターのバルブで止水する
家全体を止水する場合は水道メーターの横についている「バルブ」を回せば止水出来ます。
住居によって設置場所や形が違いますので、マンションの場合と戸建て住宅の場合の二つを解説します。
マンションの場合
マンションの場合は、PS(パイプスペース、パイプシャフト)と呼ばれる場所に水道メーターがあり、そこにバルブがあります。
だいたいのPSは玄関ドアの横にある鉄の扉の中がPSです。
上に貼っている写真はPSの中にある水道メーターの写真です。
真ん中が水道メーターで、水道メーターの左右にバルブがあります。
バルブが二つある場合はどちらか一つを時計回りに回せばいいのですが、たまに止まらないこともありますので二つとも回しましょう。
戸建て住宅の場合
戸建て住宅の場合は、メーターボックスと呼ばれる水道メーターを収納している箱の中にあることがほとんどです。
メーターボックスは屋外の敷地内になります。
場所は家ごとに違いますので、探す必要があります。
バルブの位置ですが、水道メーターの横にバルブがついています。
このバルブを時計回りに回すと水が止まるようになっています。
症状からトイレの水が止まらない原因を考える
「トイレの水が止まらない」といっても原因は一つではありません。
ここでは症状別に原因を考えていきます。
当てはまる症状があれば、その原因を把握して修理方法を実践してみてください。
※止水した状態では判断するのが難しいので原因を探すときは通水してください。
※原因がわかりましたら再度止水してください。
ケース1:手洗い管の水が止まらない
トイレを使っていないのに手洗い管から水が出ている場合はボールタップの故障がほとんどです。
トイレを使うと、タンクの水が排水されます。
排水された後、タンクに水を給水するときに手洗い管からも水が出るようになっています。
ですので、手洗い管から水が出ているということは給水されていることになります。
もちろんフロートバルブが原因であることも否定は出来ませんが、フロートバルブがちょっと劣化したくらいでは常に手洗い管から水は出ません。
手洗い管から水が出続けているということはボールタップの劣化かすごい量排水されているときだけです。
判断方法としましては、タンクの蓋を開けてオーバーフロー管に水が流れていっているかを見てください。
給水しすぎてタンクの外に水が出ないようにタンクの中にはオーバーフロー管というものがあります。
そこに水が流れているようでしたら給水のし過ぎ(ボールタップの故障)です。
ボールタップを修理しましょう。
ボールタップを修理しても、ちょろちょろと給水しているようでしたらフロートバルブに問題がある可能性があります。
「ケース3」もご覧ください。
ケース2:タンクの中の水が止まらない
タンクの中からちょろちょろと水が出ている音が聞こえる場合はボールタップとフロートバルブの両方が原因として考えられます。
このケースの場合はまずフロートバルブの劣化を疑ってください。
フロートバルブが劣化するとタンクの中の水を抑えておくことが出来ずに便器に排水してしまいます。
タンクの中の水が排水されることで、ボールタップは「水が減ったから給水しなければ!」となり、タンクに減った分の水を給水し始めます。
これが今回のケースでよくあるパターンです。
判断方法ですが、アングル止水栓(バルブでも可)で止水した後、便器の中を見てください。
数分間ずっと水が便器の中に流れているようでしたらフロートバルブの劣化が疑われます。
逆に水が止まるようでしたら水がオーバーフローしていると思われますのでボールタップが原因だと判断できます。
この判断方法で判断しても修理してみたらまだ漏れているということもあります。
両方の箇所が同時期に故障していることもありますので、片方修理しても直らなかった場合はもう一か所も修理してみましょう。
ケース3:便器に流れる水が止まらない
便器の中にちょろちょろと水が出ている場合はボールタップとフロートバルブの両方が原因として考えられます。
「ケース2」でも触れていますが、止水して判断しましょう。
止水しても水が出ている場合は、フロートバルブが原因として考えられ、止水して水が止まるようでしたらボールタップが原因として考えられます。
まずは考えられる原因箇所を修理しましょう。
修理してもまだ直らない場合は、もう一か所も修理しましょう。
トイレの水が止まらないを修理する方法
上記の「症状からトイレの水が止まらない原因を考える」を読んでいただいた方は原因が判明したと思います。
ここからは水が止まらない原因である「ボールタップ」「フロートバルブ」の修理方法を解説していきます。
まず、修理するにあたって適合部品を用意する必要があります。
タンクにタンク品番が書いてありますので、その品番から適合する部品用意してください。
汎用品でも対応できる場合もありますが、適合部品で修理する方が確実ですのでメーカー純正部品を用意しましょう。
修理の準備(道具の用意)
必ず必要なものは赤色で、あったら便利なものは黒色で表示しています。
道具を持っていない方は新しく道具を買わないといけないですが、100均のものは使用しないでください。
100均のものは大きさが合わなかったり、材料が傷んでしまうことがあります。
最低でもホームセンターの安い道具を使ってください。
※必ず必要なものにビニール袋と書いてありますが、これは交換した部品を入れるためのゴミ袋です。
ボールタップの修理で必要な道具
モンキーレンチ
ラジオペンチ
ビニール袋
ゴム手袋
フロートバルブの修理で必要な道具
ビニール袋
ゴム手袋
ラジオペンチ
ボールタップが原因だった場合
ボールタップが原因だった場合、ボールタップ本体を交換するかピストンバルブやダイヤフラムを交換する方法のどちらかで修理ができます。
大まかに分けてボールタップは2種類あります。
修理の方法が違いますので、どのボールタップがついているのかを確認して修理しましょう。
横型ボールタップ
横型ボールタップは使用期間が長かった昔ながらのボールタップです。
タンクの横から給水するタイプです。
この横型ボールタップを修理する際は適合するピストンバルブを用意します。
「品番 ピストンバルブ」とネットで検索すると出てきます。
修理方法はTOTOのホームページに載っていて、わかりやすかったのでそちらをご覧ください。
ピストンバルブではなく、ボールタップごと交換する方法はyoutubeにわかりやすい動画がありました。
そちらをご覧ください。
適合するボールタップも「品番 ボールタップ」と調べると出てきます。
弊社で過去にボールタップの交換をした施工ブログもありますのでよろしければこちらもご覧ください。
・3点式ユニットバスのトイレの水漏れ修理・タンクの中からずっと水の音が聞こえる
縦型ボールタップ
縦型ボールタップは現行型のボールタップです。
タンクの下にホースが繋がっていて、下から給水するタイプです。
縦型ボールタップはダイヤフラムとよばれる部品を交換することで修理できます。
「品番 ダイヤフラム」と検索すると適合するダイヤフラムがわかります。
ダイヤフラムの交換方法はTOTOのホームページにわかりやすく書いてありましたので、そちらのリンクを貼っておきます。
こちらをご覧ください。
・TOTO公式 ロータンク ボールタップ ダイヤフラム部の交換要領
弊社で過去にダイヤフラムの交換をした施工ブログもありますのでよろしければこちらもご覧ください。
水道修理屋の細かいテクニックも載せていますので少しは参考にしていただけると思います。
・TOTOウォシュレット一体型便器ZE1(TCF9031E)のタンクに水が溜まらないを修理
ダイヤフラムの交換ではなく、ボールタップごと交換して修理する方法もあります。
「品番 ボールタップ」と検索すると適合するボールタップがわかります。
交換方法はyoutubeにあった動画がまだわかりやすかったのでそちらをご覧ください。
・YouTube TOTOトイレボールタップ取替施工例 小山市OK様邸住宅トイレ
排水弁部が原因だった場合
排水弁部が原因だった場合、フロートバルブを交換するか排水弁パッキンを交換する方法のどちらかで修理ができます。
排水弁部は排水弁部自体を交換する方法しか修理方法がありません。
大まかに分けて排水弁部は2種類あります。
修理の方法が違いますので、どの排水弁部がついているのかを確認して修理しましょう。
フロートバルブ
フロートバルブは使用期間が長かった昔ながらの排水弁部です。
黒いゴム玉に直接チェーンが繋がっているタイプです。
このフロートバルブを修理(交換)する際は適合するフロートバルブを用意します。
「品番 フロートバルブ」とネットで検索すると出てきます。
外部サイトにはなりますが、わかりやすくフロートバルブの交換方法を書いているサイトがありました。
ご自身で修理される際はこちらのサイトをご覧ください。
・山の古別荘のDIY記 トイレの水漏れ フロートバルブの交換
弊社で過去にフロートバルブの交換をした施工ブログもありますのでよろしければこちらもご覧ください。
・3点式ユニットバスのトイレの水漏れ修理・タンクの中からずっと水の音が聞こえる
排水弁パッキン
排水弁パッキンは現行型の排水弁部です。
フロートバルブのように玉でできておらず、板状のゴムパッキンで止水しているタイプです。
「品番 排水弁パッキン」と検索すると適合する排水弁パッキンがわかります。
排水弁パッキンの交換方法はTOTOのホームページにわかりやすく書いてありましたので、そちらのリンクを貼っておきます。
こちらをご覧ください。
上の方はフロートバルブの交換方法が、下の方に排水弁パッキンの交換方法が書いてあります。
・TOTO公式 タンク内の鎖とフロートバルブの点検・交換をしましょう
弊社で過去に排水パッキンの交換をした施工ブログもありますのでよろしければこちらもご覧ください。
・SH221BASのTOTO製タンクの水が止まらない!排水パッキンが原因の水漏れ修理
まとめ
TOTOのトイレの水が止まらないときはまずアングル止水栓やバルブを閉めて止水しましょう。
止水して冷静になってから原因を探していきましょう。
原因がわかれば必要な道具や適合部品を用意して修理しましょう。
ご自身で修理されるのが困難な場合は、水道修理業者に依頼しましょう。