さて今回はトイレのトラブルでよくある「トイレのタンクにいつまでたっても水がたまらない」「ずっとチョロチョロ音がしている」症状について書いていきます。
原因と修理方法について書いていますので、是非最後まで御覧ください。
目次
トイレのタンクに水がたまらないのってよくあること?
まず、この症状ですがよくある症状です。
「うちの家だけかな?」「えらいことになってる!」と焦らないでください。
トイレのトラブルの中ではよくある症状なので、直し方もちゃんとあります。
直し方は最後まで読んでいただけるとわかるようになっているので、最後までお読みください。
原因について
ここではトイレのタンクに水がたまらないときに、よくある原因について書いていきます。
止水栓が締まっている
これは劣化が原因とかそんなことではなく、水回りをメンテナンスするときに締める止水栓が締まっていることが原因で水がたまらない状態です。
メンテナンスなんてしてないって方もいると思いますが、もしお子さんがいられればいたずらで締めてしまっているかもしれません。
一度止水栓を反時計回りにまわしてみてください。
トイレの中にある止水栓はアングル止水栓(アングル形止水栓)と呼ばれるものです。
写真は切れ込みが入った見た目のもの(マイナスドライバーで回すもの)ですが、ハンドルタイプで手で回して動かしますものも存在します。
あと、可能性はかなり低いですが、量水器の横に付いているバルブが締まっている場合があります。
量水器の横に付いているバルブを締めると家全体の水が止まるので、トイレのみじゃなくキッチンの蛇口からも水が出ない場合は、このバルブを疑ってください。
場所は屋外にメーターボックスがあるのでその中にあります。
マンションの場合はパイプスペースの中にあります。
ボールタップの劣化
あまり使わないトイレではよくあることなのですが、ボールタップが劣化して固着することがあります。
ボールタップが固着して動かなくなると、浮き玉が上がったままで止まり、水が出なくなります。
だいたい10年~15年で劣化して、交換時期にはいります。
応急処置はありますが、固着してしまったボールタップはまた固着する恐れがあるので、交換をおすすめします。
修理方法、交換方法はページ下部に書いています。
フロートバルブの劣化
ちょっと詳しい方ならまずこれを疑うと思います。
フロートバルブはゴム製の部品でトイレタンクにためた水をタンク内にとどめておく弁です。
INAX(イナックス)やリクシル製のものはフロートゴム玉といいます。
レバーを回すとフロートバルブが動いてためた水を便器内に排水する仕組みになっています。
このフロートバルブが劣化するとトイレタンク内に水をためることが出来なくなります。
だいたい10年~15年で劣化して、交換時期にはいります。
劣化していたら交換してください。
修理方法、交換方法はページ下部に書いています。
オーバーフロー管が折れている
↑縦に伸びている管の根本が折れます。
オーバーフロー管(サイフォン)が折れていて、折れている部分から水が流れ出ている場合があります。
TOTO製のトイレではまずないのですが、INAX製のトイレではよくあります。
INAX製のトイレタンクを使用している場合は、疑ってみてください。
オーバーフロー管はボールタップの故障で水が止まらなくなった場合、水の溢れを防ぐために、溢れた水を便器の中に逃がす働きがあります。
これが折れてしまうと、タンクの中に全く水がたまらなくなり、ずっと水が出ているのに溜まっていない状態になります。
すぐに修理した方がいい状態です。
修理方法、交換方法はページ下部に書いています。
修理方法について
修理方法について書いています。
症状によって必要な道具が違いますが、ほぼ一緒なので下記の道具を用意して修理してください。
新しい修理部品
モンキーレンチ
大型のウォーターポンププライヤ
マイナスドライバー
ラチェット
柔らかいレジャーシート
使い捨てのゴム手袋
ゴミ捨て用のビニール袋
捨ててもいいタオル
どの作業をするときもゴム手袋はつけていたほうがいいです。
タンクの中や部品はかなり汚れているので手が汚れます。
モンキーレンチとウォーターポンププライヤは2000円~4000円くらいでどちらも購入できます。
ナット類がなめる場合があるので、安い粗悪な物は使わずにプロが使う工具屋さんで購入してください。
ボールタップの修理方法
まず、ボールタップが固着していた場合の応急処置から書いていきます。
浮き玉が固着して固まっていると思いますので、浮き玉の部分を持って上下に動かしてください。
初めは硬いかもしれませんが、動かしているうちに柔らかくなると思いますので、柔らかくなるまで動かし続けてください。
とりあえずはこれで正常にボールタップが動きますが、もう劣化しているので早めに交換してください。
ボールタップの交換方法
まず、アングル止水栓を時計回りに回して止水します。
止水をしたらレバーをまわしてタンクの水を完全に排水してください。
次にタンクの横にある給水管(へリューズ管やフレキ管)とボールタップを繋いでいる袋ナットをモンキーレンチで回して外します。
この時に水が出てくると思いますので床にタオルを引いておいてください。
次にボールタップとタンクを固定しているナットをモンキーレンチで回して外してください。
後は新しいボールタップを取り付けるだけなのですが注意点がいくつかあります。
まず、ボールタップをタンクに取り付けるときは、ボールタップをしっかりとおさえてナットを締め込んでください。
ボールタップがタンク内で歪んでいると浮き玉が壁に当たり、水が止まらなくなります。
次にナットを締めるときですが、回しすぎるとタンクが割れるのでちょうどいい場所で止めてください。
文で表現するのは難しいですが、これ以上いくと割れるなと感触でわかるのでそこで止めてください。
次にボールタップと給水管を袋ナットで固定するのですが、袋ナットが以前の取付時にせんぎっている場合があります。
そんなときは新しいボールタップと噛み合わず、どんだけきつく締めても水が漏れてくるので、少しでも変だなと思ったら給水管を交換してください。
フロートバルブの交換方法
フロートバルブの劣化でトイレのタンクの水がたまらない場合は応急処置がありません。
フロートバルブを交換するしか方法がありません。
交換方法ですが、まずアングル止水栓を時計回りに回して止水します。
このままでは交換作業が出来ないので、レバーを回してタンク内の水を完全に排水します。
TOTO製であれば、左右2箇所でフロートバルブを固定しているので、その引っかかっている部分を外せば取り出せます。
INAX製であれば、ボールを45度ほど斜めにしながら引き抜きます。
このとき力強くすると、中の芯が折れることがありますので慎重に作業してください。
写真に見えているフロートゴム玉の上の白いリングと底の間の隙間を通してフロートゴム玉を取り出します。
取り付けは取り外しの逆に行えば出来ます。
オーバーフロー管の交換方法
オーバーフロー管が折れたら交換するしか方法がありません。
INAXメンテなんかは補修部品を持っているみたいですが、メーカーメンテを呼ぶとなんだかんだでお金がかかります。
いくらメーカーメンテといえども人が自宅まで来るのでまあまあそれなりの料金です。
なので出来ることならご自身で直されたほうがいいと思います。
交換方法ですが、まずアングル止水栓を回して止水します。
タンク内の水を出来るだけ排水するためにレバーを回します。
次に給水管とボールタップを繋いでいる袋ナットを回して取り外します。
次にタンクの真下(左右2箇所)にあるタンクと便器を固定しているナットをラチェットを使って外して、タンクを上に持ち上げてタンクを取り外します。
事前に柔らかいレジャーシートをひいておき、その上にタンクの底が見えるように置きます。
底にゴム状のパッキン(密結パッキン)があると思うので、それを外します。
次にプラスチック製のナットが見えるので、それをウォーターポンププライヤで回して外します。
これで取り外しが出来ますが、防露タンクがある場合は、レバー部分を分解して外して、ボールタップも外してください。
これで防露タンクが取り出せるので、底に固定してあるナットを回して外し、オーバーフロー管を取り外してください。
あとは新しいオーバーフロー管を取り付けていくだけですが、ボールタップの交換方法の時に書いているのと一緒でナット類は締め付け注意です。
締めすぎるとタンクが割れてしまう恐れがあります。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
私的にわかりやすく書いたつもりですが、読みやすかったでしょうか?
少しでも皆さんのお役にたてたらなと思い今回の記事を書きました。
水道修理の中では比較的ご自身でできる修理だと思いますので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
自分でやってみたけど症状が直らない、上手にできなかった、そもそも自分でやるのは怖いなどご自身ではできない場合は水道修理業者に依頼しましょう。