この記事ではINAX製タンクDT-882のサイフォン管の交換方法について解説しています。
今回の症状は「トイレの水が突然止まらなくなりました。タンクの上にある蛇口?から出る水が数分待っても止まりません。」とのことでした。
実際に伺ったお客様宅での作業風景と共に解説していきますので、似たような症状でお困りの方は是非最後までお読みいただき参考にしていただけますと幸いです。
それではまずは原因について調査していきましょう!
※修理方法を教えて欲しいというお電話が増えておりますが、電話は修理受付窓口に繋がりますので修理方法についてはお伝えしておりません。
※ご自身で修理が難しい場合はお近くの水道修理業者までご依頼ください。
目次
今回使用する工具及び材料
DT-882のサイフォン管の交換作業をする前に以下の工具と材料を用意してください。
使用する工具
・モンキーレンチ
・マイナスドライバー
・タオル(複数枚あるといいです)
・大型のウォーターポンププライヤー(300mm以上)
・ラチェット(あると作業がかなり捗ります)
使用する材料
・LIXIL・INAX LN・アメージュC フロート弁TF-1810C
INAX製タンクDT-882のサイフォン管を交換する前に現場調査
まずは現場を調査して原因を特定します。
この項と同じ症状、原因であることをしっかりと確認してから作業を始めてください。
トイレの水が止まらない症状は複数原因が存在しますので、慎重に原因調査を進めてください。
それでは現場の調査していきます。
現場に到着後、トイレの中を見せてもらいました。
このトイレのタンクの上にある蛇口?から水が出続けているとのことなので見てみます。
この蛇口?は正式には手洗い管と言います。
手洗い管から結構な勢いで水が出続けています。
次は便器の中を確認します。
便器の中を見てみると封水がかなり揺れていました。
これは給水した分の水が全て流れ出ているように見えます。
次はタンクの中を確認します。
タンクの中を確認する際は必ずアングル止水栓を閉めてから確認してください。
上の画像の赤矢印の部分にマイナスドライバーを挿して時計回りに回せば水が止まります。
タンクの中を見てみるとオーバーフロー管が斜めになっているように見えました。
オーバーフロー管を手で持ってみると
簡単に持ち上げることができました。
オーバーフロー管が折れていますね。
これはINAXのこのタイプのサイフォン管あるあるでよくある現象です。
このオーバーフロー管が折れてしまうと折れた部分から水が漏れ出てしまってタンクに水が溜まらなくなってしまうので給水し続けてしまいます。
それが今回の水漏れの原因ですがサイフォン管を交換することで修理可能です。
それでは原因がわかったので次項からDT-882のサイフォン管の交換方法について解説していきます。
是非最後までお読みください!
INAX製タンクDT-882のサイフォン管の交換方法
それではDT-882のサイフォン管の交換方法について解説していきます。
まずはボールタップに繋いでいるフレキ管もしくはへリューズ管の袋ナットを外します。
※このときに袋ナットの真下あたりにタオルを置いておくことをおすすめします。
上の画像の赤矢印の部分が外す袋ナットです。
ここをモンキーレンチで挟んで反時計回りに回して外します。
袋ナットを外したら次はタンクと便器を固定しているナットを外します。
このナットはタンクの真裏に左右2箇所あります。
このナットにラチェットを入れて反時計回りに回して外します。
ラチェットが無い場合はモンキーレンチでも大丈夫ですが、作業がとても楽になるのでラチェットの使用をおすすめします。
ナットを外したらタンクを持ち上げて外します。
※タンクを外す前に外したタンクを置く場所にタオルをひいておいてください。
タンクは陶器でできているので落としてしまうと割れてしまうので慎重に外してください。
タンクに水気がついていたりすると滑るのでしっかりと水気を拭いて底から持ち上げるようにしてゆっくりと運んでください。
タンクを外したら横に向けて床に置いてください。
タンクを床に置いたらタンクの中に残っている水が出てくると思いますので出てきた水はタオルで拭きとってください。
または残っている水を便器の中に流してもらってもいいです。
ですが、タンクは重たいので便器に水を流す際に手を滑らせて割ってしまってはいけないのであまりおすすめはしません。
出てきた水を拭いたらサイフォン管を外していきます。
タンクの底にサイフォン管を固定しているナットがありますので、そこを大型のウォーターポンププライヤーで挟んで反時計回りに回して外します。
サイフォン管が外れたら新しいサイフォン管を用意します。
DT-882に使用するサイフォン管はINAX製のTF-1810Cです。
取り付け、タンクを元に戻す方法については取り外し方法と逆の順番で取り付けていけば大丈夫です。
ここからはそれとは別に注意点について解説していきます。
新しいサイフォン管の取り付ける位置は外す前の位置と同じ場所にしてください。
今回の場合ですと上の画像の赤矢印の部分にオーバーフロー管がくるように取り付けます。
オーバーフロー管の位置が変わってしまうと最悪ボールタップの浮き球と干渉したりして水漏れしてしまうこともありますので、外す前と同じ位置に取り付けます。
次にタンクを便器に乗せる際はディストリビューターの穴の位置に注意してください。
便器のタンクが乗っていた場所に黒いホースのようなものがあると思います。
この真ん中あたりに丸い箇所がありますが、この丸い箇所がすっぽりとサイフォン管の中に入るようにタンクを乗せてください。
この丸い箇所がすっぽりと入っていない状態(押しつぶしてしまったりずれた状態)でタンクを取り付けてしまうと水を流したときにタンク外に水が大量に漏れてきます。
タンクを便器に乗せる際はディストリビューターの位置を誰かに見てもらうのが安全です。
最後にタンクを取り付けた後のフロートゴム玉のチェーンの取り付け方について解説します。
※画像を取り忘れたので別の現場で取り付けた際の画像を使用します。
フロートゴム玉のチェーンを引っ張ってレバーの金具に当てます。
この時にフロートゴム玉が浮かない程度にピンピンに引っ張って金具に当てます。
そして金具とチェーンが当たっている位置から2玉~3玉上の位置を金具に繋ぎます。
上の画像のようにチェーンが少したるんでいれば大丈夫です。
以上の事に注意しながらタンクを元に戻してもらえれば問題ないと思います。
ここからはタンクを元に戻した後の確認について書いていきます。
タンクを元に戻したらアングル止水栓を開けて通水します。
タンクに水が溜まったらレバーを回して排水します。
問題なく排水すること、レバーの使用感に違和感がないことを確認したら水が止まることを確認します。
水が止まった後に便器の中を確認して封水が揺れていなければ無事に修理完了です。
お疲れさまでした!
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
筆者なりにわかりやすく修理方法について解説しましたがいかがでしたでしょうか?
同じような症状でお困りの方のお役に立てるように記事を書きましたので、参考にしていただければ幸いです。
もしわかりにくい部分などがあるようでしたら似たような記事を書かれている他のサイトもあると思いますので、そちらも参考していただけますと幸いです。
また、誰にでもわかるようにこの記事は書きましたが、それでもご自身で修理するのに不安がある方は水道修理業者にご依頼ください。
対応地域は限られていますが、弊社も水道修理業者ですので対応エリア内であれば修理いたしますのでご連絡いただければと思います。