この記事では便器と床の間からの水漏れでガスケットが原因であった場合のガスケット交換方法について解説しています。
今回の症状は「トイレの便器と床の間から水が漏れてきます。トイレを使った後に漏れてきているように感じます。」とのことでした。
実際に伺ったお客様宅での作業風景と共に解説していきますので、似たような症状でお困りの方は是非最後までお読みいただき参考にしていただけますと幸いです。
それではまずは原因について調査していきましょう!
※修理方法を教えて欲しいというお電話が増えておりますが、電話は修理受付窓口に繋がりますので修理方法についてはお伝えしておりません。
※ご自身で修理が難しい場合はお近くの水道修理業者までご依頼ください。
目次
今回使用する工具及び材料
ガスケットの交換作業をする前に以下の工具と材料を用意してください。
使用する工具
・マイナスドライバー
・モンキーレンチ
・灯油ポンプ
・ラチェット(便器取り付け用のものがあります。あると便利です。)
使用する材料
・ガスケット メーカーは何でも大丈夫です(この記事ではH80-99を使用しています。)
・使い捨てのゴム手袋(素手で触るのはちょっと…という方はご用意ください。)
・ビニール袋(剥がしたガスケットを入れるゴミ袋)
便器と床の間から水が漏れてくる現場の原因調査
まずは現場を調査して原因を特定します。
この項と同じ症状、原因であることをしっかりと確認してから作業を始めてください。
それでは現場の調査していきます。
現場に到着後、トイレの中を見せてもらいました。
このトイレの便器と床の間から水が漏れてくるようです。
この「便器と床の間から水漏れ」ですが、原因は結構色々とあります。
大きく分けて2つで、給水系か排水系です。
何もしていないのに漏れていれば給水系で水を流した後に漏れてくるようでしたら排水系です。
今回の現場ではタンクのレバーを回した後に漏れてくる症状でしたので、今回は排水系になります。
上の画像は水を流した後に漏れてきた様子を写真で撮ったものですが、画像では漏れている様子がわかりにくいですね(笑)
ただ、水を流した後に漏れてきたので間違いなく排水系の水漏れでした。
この排水系の水漏れですが、よくあるのはタンク下から漏れてくる症状です。
タンク下から漏れた水が便器の縁を濡らすことで便器の下から漏れてきたと錯覚することがよくありますが、今回の場合はタンクの下からは漏れていませんでした。
ということは便器と排水管を繋いでいる箇所から漏れ出ていることになります。
「便器と床の間からの水漏れ」には様々は原因が考えられますので、上のように考えて原因を探してもらえると原因が判明すると思います。
是非参考にしてみてください。
今回は便器下からの水漏れでしたので、ガスケットを交換していきます。
それでは次項からガスケットの交換方法について解説していきます。
是非最後までお読みください!
ガスケットが原因であった場合の修理方法
それではガスケットの交換方法について解説していきます。
今回解説するにあたって使用するタンクと便器の品番ですが
アサヒ衛陶製のTCA2352とC2052です。
アサヒ衛陶以外の製品でもほぼ同じように交換しますので、他社製品を使用されていても参考になりますので是非ご覧ください。
まず、アングル止水栓または水道メーター横にあるバルブを閉めて水を止めます。
水が止まったらタンクの蓋を取り外してタンク内の水を排水します。
タンク内の水を抜いたらボールタップとヘリューズ管(フレキ管)を接続しているナットをモンキーレンチを使って外します。
上の画僧の赤矢印の部分にボールタップとヘリューズ管を接続しているナットがあります。(タンクで隠れて見えないですが…)
この部分のナットを回すときはボールタップが供回りすることがあるので片方の手でボールタップを押さえて回してください。
ナットを外したら次はタンクと便器を固定しているナットを外します。
今回の便器で使用されているナットは樹脂製で、手で回すことができるタイプになっています。
このナットが六角のナットであればモンキーレンチやラチェットを使って外してください。
便器とタンクを固定しているナットを外したらタンクを持ち上げて外します。
外したタンクはトイレの外に寝かして置いてください。
タンクは陶器でできていますので、結構あっさり割れてしまいます。
割れないように慎重に置いてください。
タンクを外すと密結パッキンと呼ばれるパッキンがあります。
このパッキンが劣化しているとタンク下から水漏れするようになりますので、劣化しているようでしたら適合する密結パッキンも用意しておいてください。
再利用できる場合はそのまま使用していただいても構いません。
タンクを外したら次は便器を外す準備をしていきます。
まず灯油ポンプを使って便器の中に溜まっている水をバケツに移します。
水が吸えなくなるまで抜いたら次は便器と床を固定しているボルトとナットを外します。
画像の赤矢印の部分にボルトとナットがあります。
画像では白い突起がありますが、これはボルトを隠している化粧になりますので反時計回りに回すと化粧のキャップが外れます。
便器の左右にボルトがありますので、モンキーレンチまたはラチェットを使って全て取り外します。(今回の場合ですと4箇所)
もし、便器の前側にも固定しているボルトがある場合はそれも取り外してください。
ボルトとナットを外したら便器を持ち上げます。
便器を持ち上げるとフランジが現れます。
このフランジは床下の排水管に接続されていて、便器と排水管の間にあるものです。
フランジがないと便器は排水管と接続できないため、必ず存在します。
このフランジと便器を接続するにあたって隙間ができないようにするためにガスケット(パテのようなもの)が必要になります。
今回の水漏れの原因はこのガスケットの劣化になりますので、ここを交換するということになります。
劣化したガスケットはマイナスドライバーなどを使って剥がしてください。
ガスケットは粘っこいものですので、根気よく剥がしていってください。
また、フランジの周りに水が残っていると最後の水漏れ確認のときにわからなくなりますので、しっかりと拭いておいてください。
劣化したガスケットを剥がしたら次は新しいガスケットを取り付けていきます。
どのメーカーのものでもいいですが、今回は三栄製の床フランジ用パテ(大便器用)H80-99を使用しました。
新しいガスケットはフランジに貼っても便器裏に貼っても構いません。
便器裏に貼る方が便器を戻すときに位置の調整が楽ですが、便器の裏に張り付かないときがあります。
その場合はフランジに貼り付けてから便器を乗せてください。
ここから先はトイレを元に戻していく作業になりますが、取り外しと逆の順番で取り付けていけば大丈夫です。
ただ、タンクを取り付ける前に便器側のタンクが乗る部分は綺麗にしておいてください。
タンクが乗る部分に水滴が残っていることがよくあります。
水滴が残っていると最後の水漏れ確認のときに水が漏れているのか残った水滴が落ちてきているのかわからなくなります。
ここは綺麗にしてからタンクを乗せます。
今回は密結パッキンがかなり劣化していたので、このタイミングで密結パッキンを交換しています。
トイレを元の状態に戻したら通水してタンクに水を溜めます。
タンクに水が溜まったらレバーを回して何度も水を流してください。
何度も何度も水を流しても水が漏れてこなければ修理完了です。
お疲れさまでした!
便器と床の間から水が漏れてくる症状のガスケット交換後
最後までお読みいただきありがとうございます。
筆者なりにわかりやすく修理方法について解説しましたがいかがでしたでしょうか?
同じような症状でお困りの方のお役に立てるように記事を書きましたので、参考にしていただければ幸いです。
もしわかりにくい部分などがあるようでしたら似たような記事を書かれている他のサイトもあると思いますので、そちらも参考していただけますと幸いです。
また、誰にでもわかるようにこの記事は書きましたが、それでもご自身で修理するのに不安がある方は水道修理業者にご依頼ください。
対応地域は限られていますが、弊社も水道修理業者ですので対応エリア内であれば修理いたしますのでご連絡いただければと思います。